『カルスト台地での鳩狩り』の作品イメージ

カルスト台地での鳩狩り

すずき

全3話・約16分

自分の人生が色あせてしまったとき、私たちはいったいどうすればいいのだろう?

五年ぶりに再会した学生時代の友人は、かつて詩を書き、リルケを愛した男だった。酒を酌み交わすうち、彼が告白したのは、幸福なはずの人生をふいに覆した〈空虚さ〉についてだった。 リルケの「オルフォイスへのソネット」から、二人がそれぞれに得たものとは何なのか。人生の価値を問う物語。

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第1話 五年ぶりの夜

 彼と会うのは五年ぶりだった。彼は古い友人で、いままではだいたい一年ごとに会っていたから、これほどまで期間が空いてしまうのは初めてのことだった。都合があわなかったというわけではなく、互いに何となく気が進まなかっただけだ。私たちは五年ものあいだ連絡をとりあわなかった。そしてふと彼の存在を思い出した私は久しぶりに連絡をとってみた。そのときに前回の連絡から五年もの歳月がたっていたことを知って驚いたのだった。

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目次

  1. 第1話五年ぶりの夜約7分
  2. 第2話空虚のにおい約6分
  3. 第3話変容約3分

著者について

すずき。野良の小説書き。生活のなかで出会う痛みに、新しい意味を与えられるような物語を書きたいと思っています。